twitter @hoshinoiro_

CALL ME by Your Name (君の名前で僕を呼んで) について

とんだ厄日だった。

タッチの差でありとあらゆる交通機関を逃し、高速バスに乗り遅れ、5000円のバスチケットはただの紙きれと化した。しばらくショックでその辺を茫然自失になりウロウロしていたけれど、近くに映画館がある事を思い出し、コノヤロ〜こうなりゃヤケだ!と思い映画を観ることにした。こんなふうに突発的に映画を観るのは人生初の試みだった。

選んだ映画は「CALL ME by Your Name (君の名前で僕を呼んで) 」。
これからこの映画についてネタバレこみこみで所感を書いていきたいのでネタバレNGの方は注意していただきたい。





____________________


さて、この映画、本当に良かった!
舞台は1900年代後半、北イタリアの夏。
聡明で明るい大学院生オリヴァーと、同じく聡明で、しかし内気な17歳の高校生エリオの2人の青年の物語だ。

まず映像のどのシーンを取ってもすごく綺麗だった。光に透ける森、水、身躯、食事、家々...。オリヴァーは大学院生のはずだけれど、川で泳いだりお酒を飲んで踊ったりエリオと遊びに出掛けたりすることがかなり多くて、こんな風になれたらと思わずにいられなかった。まさに自由と青春の季節!

しかし楽しいばかりではない。
聡明であるがゆえ自分の愚かさも自覚出来るエリオの葛藤なんかは見ていて痛々しいほどだったし、オリヴァーも(恋仲の女性がいることを隠していたからか)後半では常にエリオを気にし、不安がっている様子があった。どっしりとした広大な自然が背景であるからか、ここら辺の不安定さが際立つ。この作品最大の魅力であるとも思う。

終わり方もとても切ない。このシーンがなければ、オリヴァーに対して「不誠実だぞ!?!!」と思うこともなくこの映画は何の欠陥もない美しい映画となっていただろう。しかし、最後のシーンまで描ききることで、この映画はエリオという人間のひとつの記憶として完成されたと思う。ここで冒頭の細かい年代設定が効いてくる。エリオは今もう大人で、1983年の燃えるようなひと夏を思い返しているような、そんな感じがするのだ。

最後、エリオは母親に「エリオ」と呼ばれ、振り返る。もうオリヴァーという名前で彼を呼ぶ人はいない。こんなん泣いてしまう。けれどエリオはオリヴァーと別れたあと、ガールフレンド(?)としっかり仲直りしている。エリオはエリオとして、これから自立して生きていけると思う。

エリオのお父さんの言葉が印象的だった。ちゃんとは覚えていないが、「痛みは削り取らず大事にすることだ、人は30までに心をすり減らしてしまうから」みたいな内容だった気がする(この程度の記憶で印象的などと言っていいものか)。心の痛みにまっすぐ向き合う強さをエリオはオリヴァーから学んだのだろう。

ひたすらに美しい映画だった!

____________________








映画の話は終わり!最近洋画の退屈な美しさがたまらなく好きだ。オススメがあったら教えてくれると嬉しい。

映画を見た後、私はオランジーナをリュックと服にぶちまけ全身をベタベタさせたり、夕食の煮卵を床にぶちまけたりして散々だった。映画みたいに上手くはいかない、終わり