はちどり

映画はちどりを観てきました。

世界から疎外されること、自分の立ち位置すら守れない無力さ、理不尽の前に立ち竦むしか出来ないこと、理不尽が気まぐれに微笑んでくること、その動揺とやりきれなさ、誰かを傷つけてしまわずにいられないこと、同じ気軽さで誰かに裏切られること、人を好きになること、好きになってもらうこと、やさしい人が自分だけに教えてくれたこと、教わったものを大切にすること、全部聞けずにお別れになること、それらすべてにまつわる静かな痛みがウニの身体と目を通して伝わってきていっぱいになる映画だった。

帰り道は深い霧で霧を構成する粒のひとつひとつに車のライトが反射してぼやけて光っていて、私もウニのようにまっすぐな心できらきらする風景が見られるかもしれないと思えてとても良かった。終わり